月が綺麗ですね

声優沼に突き落とされた舞台系ジャニオタの末路。

パンプキンファームのこと①~Kiramuneリーライ'16/10/30昼

 Kiramune Presents リーディングライブ『パンプキンファームの宇宙人』10月30日昼公演のライブビューイングに参加しましたので、感想を綴っておきます。ネタバレ満載、とっても主観的、言葉足らずな上、一丁前に批評なんかもしております。閲覧の際にはご注意くださいませ。なお、台詞は全てニュアンスです。

 

 10月30日昼公演は、Bチームの公演でした。物語は、神谷さん演じる新聞記者ゴウガイの一人語りから始まります。舞台はアメリカ、カリフォルニア。スクープ記事を書くため、ハロウィンパーティで自作自演の事件を起こすことを独白するゴウガイ。その後、別件の取材のためパンプキンファームへ向かいます。パンプキンファームには、母を亡くしたばかりの農場主・シュトルーデル(act 緑川さん)とその息子・パリティービット、愛称はパル(act 柿原さん)、農夫リーダーのガト(act のじけんさん)、日本人留学生の砂糖(act 江口くん)が暮らしていました。シュトルーデルの母の死により、経営破綻の危機にあるパンプキンファーム。そこに、謎の宇宙船が墜落。乗っていたのは、己の種族は神様だと話す、宇宙人のマロン(act よっちんパイセン)。なんでも直せる万能の機械を持つマロンに、シュトルーデルは「母を生き返らせてくれ」と頼みます。このことが思わぬ方向に転じ、街は混乱に陥ってしまいます…

 

 とにかくガトさんがとても素敵でした。実はのじけんさんの演技している声をちゃんと聴いたのはこのリーライが初めてだったのですが、優しい声がすんっと入ってくる感じ、好きです。のじけんさんが演じるガトさんの丁寧な言葉遣い、きゅんきゅんします。カウボーイのさよならは何?とマロンに振られたときの「You watch your tail!」がめちゃくちゃ良い声でたまらなかったですね本当に。パルが犠牲になったあとの場面での「悲しいですよ!」からのガトさんの一連の台詞には、とても胸を打たれました。あと、キャスト紹介時のウインクとか、さては、のじけんさんってあざといんですね?ありがとうございます。

 初っ端に登場した神谷さん、格好良かったんですが、トレンチコートがぶかぶかなのか、袖まくってて可愛すぎました。神谷さんは終始、演技の迫力が凄かったです。新聞社で記事を書くシーンは狂気を纏っておられました。正直、カーテンコールで神谷さんが「主役の二人に~…」と、柿原さんとよっちんパイセンに振るまで、ゴウガイさんが主役だと思っていました。圧倒的主人公力。さすが神谷さんです。

 柿原さんはかわいかったです。若すぎだろいくつだよ?今年34歳???はあ???ってずっと思ってました。無邪気でややアホっぽくてかわいい少年、似合いすぎです。パルが本当はロボットだったというどんでん返し、面白かったです。そうきたか、と思いました。物語の中で最大の見せ場だったのでは。柿原さんのパルは、ゾンビたちに襲われても感情にあまり変化を見せず、壊れる寸前のしゃべり方がロボット風になるんですよね。話し方に感情が出ないマロンに会話を教えていた姿を思い出して、切なくなります。

 江口くん演じる砂糖は、理系で電子工学を専攻する大学院生で、実はアメリカに潜り込んだ日本の産業スパイ。衣装はブレザーにシャツ、ネクタイ、チェックパンツの学生風、とか好きすぎるのでいい加減にしてほしいですね。砂糖はもっと悪っぽくというか、正体をなかなか見せない感じにしてもよかったのでは、と思いました。所々、ただの江口くんでしたもん。そこも好きなんですけども。江口くんはメガネを外すたびに黄色い歓声を浴びていたので、分かってやってる感に少し腹が立ちましたが、カッコいいので仕方なしです。

 緑川さんはカッコよすぎて良い声すぎて、くたびれた農場主感がなかなか出ない所がとてももったいないなあ…と思いつつ、その良い声を堪能させていただきました。ありがとうございます。序盤からリップ音を響かせるあたりが流石です。カーテンコールの最後であざとく決めてくるあたりも流石でした。パルに暗がりで攻められている(語弊があります)ところは、受け×受けじゃねえか、と思ってしまって申し訳なかったです。

 宇宙人マロンを演じたよっちんパイセンは、100%出オチな格好なのに、出オチにならない演技力で、圧倒されました。パルに地球人らしい会話を教わるまで、ロボットのように抑揚のおかしい奇妙な話し方なのですが、これが凄くてですね。得体の知れない不気味さに恐怖さえ覚えるような。普通に話すようになってからも、どこか浮き世離れしている感じで、わたしの中の宇宙人像が一新された感覚でした。

 

 ここから少しだけ、批判混じりの感想になります。

 

 言葉がメインにあって、台詞と身体とがリンクしないことも多いリーディングライブだけに、台本と演出の粗さは少し気になりました。重要でないギミックが悪目立ちしていたり、暗転が多かったり、もっと洗練できるのでは?と感じる箇所がありました。「うかがえますかね?」だけ字幕で出てくる意味も、理解できないまま終わってしまいました。もっとも、受け取りきれなかったわたしの問題でもあると思います。

 おばあちゃんを生き返らせようとしたとき誤ってゾンビを大量発生させてしまった、という物語のキーポイントは、観客のほとんどが気づいていたはずです。あんなに引っ張らずとも、シンプルに流した方が観やすかったんじゃないかな…なんて思ってしまいました。

 "パル"が一人だけカロリーの低いあだ名(パルスイート*1ってことですよね)とか、「あばよ!」で「ダンシングクイーンかよ」というツッコミが入るところとか、豆カボチャのくだりでガトさんが「味はボケてません」と怒るところとか、観客に伝わっているのか不安になる小ネタが多用されていたのも気になりました。なんとなく錦織一清イズムを感じて、わたしは面白かったですけども。

 「当然はやりの自動運転なんて無いし、2026年のカリフォルニアでは地層から掘り出された化石のような存在だ」を被せてくるところや、「ウエストミンスターの鐘の音が鳴り響いてるぜ」「まだ新品のセダンがひっくり返って燃えている」という台詞には、伊坂幸太郎さんの小説っぽさがあるように思いました。こういうところ好きです。

 

 少しdisりめいたことも書きましたが、人生初のリーディングライブ、とても面白かったです。Kiramuneの現場は癖になるからこわいですね。10月30日夜公演ライブビューイングの感想に続きます。

 

 

 

*1:人工甘味料の一種、アスパルテームを使用した味の素の商品