読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

月が綺麗ですね

声優沼に突き落とされた舞台系ジャニオタの末路。

縁~むかしなじみ~について

 9月13日昼と9月20日夜、ふぉ~ゆ~の主演舞台「縁~むかしなじみ~」を観てきました。感じたことを綴っておきます。ネタバレ満載、自分用メモとして残す長い駄文ですので、ご理解お願いいたします。

 

 ふぉ~ゆ~の3作目の主演舞台、「縁~むかしなじみ~」。さまざまな境遇にある幼なじみ4人が、30歳を目前にして自分と自分が生まれ育った町の在り方を見つめ直し、ある事件をきっかけに中止されたままの祭りを復活させ、魂の踊り「だんない節」を踊る…というストーリーです。

 わたしにとって初めてのシアタークリエ、初めてのよんこいちふぉ~ゆ~、あまり良くなかった前評判に反する初日以降の高評価、期待が上がりすぎていたのかもしれません。席が遠かったとか、観劇の数日前に別の舞台に心を奪われていたとか、わたし自身の観る姿勢にも原因があったと思うのですが、1回目の観劇では、良くも悪くも高校演劇っぽいな、という感想を抱いてしまいました。

 分かりやすく共感しやすい友情と葛藤の人情劇なのだけれど、ヤマがふんわりしているというか、どこを観せたくて何を伝えたいのかぼんやりしてるように感じて、役への入り込み方もイマイチに感じてしまって。社会問題の盛り込み方やMEの入り方にも高校演劇感があって。座長ふぉ~ゆ~の魅力でもってる舞台、というか。ずっと楽しみにしていた大好きな4人の主演舞台を、正直に面白かったと言えないことにもやもやしていました。

 

 そんな気持ちのまま迎えた2回目の観劇。結論から言いますと、一週間のうちに何があったんだろう???と思うくらい良かったです。席が近かったので台詞を聴きこぼさなかったこと、ちゃんと筋を分かっていて観たこと、も理由のひとつですが、なにより、台詞が役者さん本人の身になってるように感じられたところがとっても良かったな、と。笑いとシリアスのバランスも心地よく思えました。

 ふぉ~ゆ~以外の役者さんでは、妹分の彩ちゃんを演じる田中れいなちゃんが好きです。お兄ちゃんたちに絡む彩ちゃんはとっても可愛いし、良きスパイスでした。大樹(act福田悠太)の居酒屋「漁火」に土地買収の話でやってきた良毅(act辰巳雄大)とカオリンを追い返すときの彩ちゃんの「ジュース上等!」「ご都合のいいときないから!」っていう子どもっぽい言い方にきゅんとしてました。終盤では、彩ちゃんが頑固者たちの本音を引っ張り出すキーマンだったように思います。みんなに溝があるままなのは嫌だ、昔みたいに仲良くして、って可愛い可愛い妹分が素直に伝えてきてるのに、和解しないなんて選択肢はありえないですもんね。

 福田さん演じる大樹は、ばっちゃんに向ける視線がいつも優しかったです。だんない節直前でのばっちゃんとの「大樹、いい顔になったねえ」「元からだよ」というやりとり、そして健太(act松崎祐介)の父にばっちゃんを頼む、と言わんばかりの会釈をするところ。たまらなかったです。高校時代の本音を吐露する場面はとても心が痛かったです。あとは何より喫煙未遂と飲酒に性癖をくすぐられまくりましたありがとうございます…!

 松崎さん演じる健太はもうずっと熱かった。漁師が似合いすぎてました。松崎さんこんなに演技上手かったんだなあ、が第一印象です。彩ちゃんのこと気になってるんだろって茶化されて動揺してる感じがすごく良かったので、健太と彩ちゃんには幸せになってほしいものです。

 越岡さん演じる和也は、ほんとに女好きで人たらしなのだけど、トラブルメーカーなのに憎めないのは、根がすごく優しいからだと思います。「大樹がいちばん頼れるからさ」「いいんじゃない、諦めても。」「こんなんじゃ、こんなんじゃ俺、出て行けないよ」「良毅、30も近くなるとさ、お前みたいに好きな仕事バリバリ出来るやつだけじゃないんだ」(全てニュアンスです)といった台詞の数々が、まっすぐに心に飛び込んでくる感じがするのも和也でした。中3の祭りの夜以降いなくなってしまった良毅のことを一番心配して気にかけていたのも、和也だったんじゃないかなあ、と思います。あと、マドンナであるカオリンにでれでれする台詞が逐一ウケていたので、きっと越岡さん気持ちよかったと思います(笑)

 辰巳くん演じる良毅は、他の3人を奮起させたくて発した胸を刺すような言葉が、ほんとにつらかった。良毅の立ち位置に近いところから観ていたからか、すごく伝わってきました。ずっと冷静に諭していた良毅が、煮え切らない態度の大樹に苛立って椅子を蹴る場面、あの感情の爆発の仕方とそのあとの一瞬の静寂、ここは緊張感がすごかったです。お互いの気持ちが分かって和解した後、拳を合わせるあたりまで、良毅はずっと泣き笑いみたいな顔をしていて、ハンカチで顔を拭っていて、素直に感情をこぼす良毅にグッときました。

 好きなシーンは、佐山興業との乱闘シーンです。3人と良毅との関係がまだぎくしゃくしているにも関わらず、4人のお互いを思い合う関係性が見え隠れしているから。タオルを頭に巻いて特攻隊長みたいな健太も、公務員である和也に「お前は手出すなよ」と言う大樹も、「アラサーなんだから無理しないの」と言って結局は参戦してしまう和也も、「一時休戦な」と言って入ってくる良毅も、みんな素敵でした。

 だんない節のときは、ほとんど和也を観ていました。和也は本当に楽しそうに生き生き踊るので、好きすぎてどうしようもなかったです。良毅と大樹と健太はわりと死ぬ気で踊っているような印象でした。だんない節は、ソーラン節と阿波踊りを足して2で割ったような感じなのですが、迫力が凄まじかったです。口上からして格好良かった。長半纏をたすき掛けして、サラシ風に半股引風の白短パン、白の地下足袋っていう衣装も最高でした。色っぽかったです。

 

 「縁~むかしなじみ~」、2回観てこんなにも印象が変わるとは思わなかったので、いろいろと考えさせられるものがありました。20代最後の4人の勇姿を目に焼き付けることができて幸せです。東京公演は終わってしまったけれども、地方公演でも進化し続ける舞台になるのだろうと思います。千秋楽までどうか怪我なく、一座全員で走り抜けてください!